しんめとりー -1-

  

レディの扱いが下手な奴だとは思っていたが、『魔獣』と呼ばれている男がまさか『童貞』とは、
思いも付かねぇだろう?普通・・・。

おもしれぇ。

甲板で何も知らずに眠りこけるゾロを、サンジは舌舐めずりしてみつめた。


サンジは女の子が大好きだったが、その反面、『処女』の『童貞』をぱっくり食べるのも好きだった。
殆ど毎日、喧嘩をしない日がない相手が、どんな風に啼くのか、大変興味をそそられた。
ここ最近、敵襲もなく、穏やかな航海が続き退屈し切っていた。

『童貞』の『処女』と確信したら、後の行動は早い。
何処かのレディにも野郎にも、先を越させる訳にはいかない。
決戦の日は、次のゾロの不寝番の夜。

新しい船の展望台は、ジムと兼用となっている。とは言っても、ジムとして使用しているのは、ゾロひとり。
初体験にしてはかなり色気のない場所だが、選んではいられない。

サンジは夜食を手に見張台へと向かった。
何時もより少し早目に。極力息を殺し、物音を経てぬ様に。それがゾロ相手に無駄だと判っていても、
サンジはそうして展望台の床の出入り口よりそっと中の様子を窺がった。。


ビンゴ!

息を殺しているのは、サンジひとりではなかった。

ずっとゾロを見ていた。と言うより、観察をしていた。
そして知った。ゾロの自慰の頻度とサイクル。
確信はなかったが、今日当たりもしかしたらと思っていた。

ベンチに座り、上半身裸の肌に薄っすらと汗を滲ませ、大きく足を開き性器を扱いている。こっそりと覗いて
いる気配に気付く事もなく、自慰に耽っているその表情は、酷くセクシーで、ぞくりと身体が震えた。
その表情の変化を見逃さず、イきそうになったその瞬間、がたりと音を立てた。
音に視線を向けたゾロと瞳が合った。

「おい夜食だ」

知らぬ素振りで夜食を手に、ゾロにと近付き、さり気なく、イくタイミングを逃しながらも硬度を失くさず、
掌の中でふるふると切なげにヒクついた性器にと視線を注いだ。

「取り込み中だったか?」
「・・・そう思うなら、喰いもん置いて出て行け」

凄味を利かせた声音は、何時もと比べてどこか迫力が欠けている。

可愛いじゃねぇか・・・。

「手伝ってやろうか?」
「は?」

意味を図りかねているゾロを無視し、サンジはゾロの足元にと膝まつき硬く握っている掌をやんわりと解いた。

「て、めぇ、何する気だ?」
「昇天させてやるよ」

にたっと笑った口元は、そのまま吸い付く様にゾロの性器を食む。

「!!!!!」

ゾロは何が起こったのか、瞬間判らなかったが、やがて、やわらかな唇が性器を扱きはじめた事で我に返った。

「っ、何してやがるつっ!!」

下肢で忙しなく動くサンジの頭を掴み、必死に離そうとしているのに、ぴったりと性器に舌を絡め、離れない。

どんな口してやがんだ?

と思うほど、サンジの舌は器用に性器を舐めしゃぶり、唇が強弱を加え扱く。
そして時折り、伺う様に見上げて来る瞳は、主導権を握り優越に光っているのが気に喰わないが、性感帯であり、
弱点でもある場所を押さえられ成す術もない。
そして、はじめての感覚は、先程中途半端に止められた快感を昂ぶらせるのには充分過ぎた。

「おい、もっ・・・」

切羽詰った掠れた声が耳に心地良い。サンジは更に激しく上下に頭を揺らした。

「・・・ぐっ」

低い呻き声と共に、サンジの口腔に雄の味が広がる。
大事なものでも手放す様に、サンジは性器から唇を離すと、ベンチに背を預け荒い息を付いているゾロの後頭部へ
掌を添え引き寄せて、くちびるを重ね合わせた。

「!!」

驚き開かれたゾロの唇の間に舌を滑らせ、口腔にと留めたままでいたゾロの精液を流し込んだ。
逃げようと揺り動かす頭をがっちりと固定し、サンジはゾロの咽喉が動くのを確認して唇を離した。

「どうだ?自分の味は・・・?俺の唾液でちよっと薄まちまってはいるけど」
「てめぇ・・・」

笑うサンジを、濡れた唇を手の甲で拭いながらゾロは睨みつけるが、優雅にも見える動きでサンジはネクタイを
解き、ゾロの二の腕を後ろ手に回し一括りに縛り、その背をベンチの上にと押し倒し、中途半端にずり落ちている
ボトムを下着ごと剥ぎ取り、柔らかな性器を握り込んだ。

「やっぱ良い体躯してるな・・・育てた甲斐があったぜ」
「は?誰がてめぇに育ててもらった?」
「わかってねぇな。トレーニングだけでこの体躯が作られると思ってんのか?」

サンジの白い指先が、愛しそうに顎から胸の傷にと滑る。

「トレーニングに見合った水分と食事の摂取。それがきっちりしてねぇとどんなにトレーニング積んでも綺麗な
理想的な筋肉なんか付きゃしねぇんだよ。だからコレは、ある意味俺が作り上げた体躯って言っても、間違い
じゃねえだろう?」

得意気に告げ、身体を屈めるとサンジの唇がちゆっと音を立て乳首にくちづけた。

「だから美味しく喰ってやるよ」
「!ふざけんなつっ!!」
「動くなよ。大事なもんは俺の掌の中だ。それに悪くなかっただろう?」

その言葉は否定できなかった。
否定した所で、まんまとその良く回る口に放ったのはつい先程の出来事だ。

「っ、てめぇ、覚えてろ」
「ああ。ちゃん覚えておいてやるよ。てめぇのペニスの形も、ケツん中も・・・」

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