蜜月

  

瓦礫の様な船に乗って、仲間の元へ戻るべく海に漕ぎ出してみたものの、あっという間に波に飲まれた。


そして、目が覚めた時、知らない部屋のベットの上にいた。
身体を起こして、辺りを見ると、ピンク色の服着た、黄色い頭した女がひとり立っていた。
どうやらこの女が助けてくれたらしいと察しがついたので、とりあえず礼を言ったが、実際に助けて、
ここに運び込んだのは女の『姉さん』らしかった。

女の黄色い髪の色は、サンジのそれと重なり、この島に眉がクルリ巻いた奴がいないかと聞いてみたが、
どうやらいないらしい。そうと判れば長居は無用と思った瞬間、腹の虫が景気良く鳴り響いた。
その音を聞き止めた女は、『待ってろ』と一言残し別室へと消えて行った。
そして、5分と経たずして、目の前のテーブルの上には色取り取りの料理が並べ置かれた。
久し振りに目にするまともな食事にありがたいと箸を伸ばし、一口食べた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「おい」

我ながら凶悪な声が出た。
その声に何故かずっと俯き加減でいた『女』が、咄嗟に顔を上げた。

前髪から覗き見えたくるんと巻いた眉。
そして色んな色に縁どられて尚、鮮やかな青い瞳。
ガタリと音を立て、椅子から立ち上がるとその手首を掴み、引き摺る様にして家を出ると海岸へ向かった。
後頭部を鷲掴み、容赦なく海水へその色取り取りの顔を浸す。

ぱたぱたと暴れるが、知ったこっちゃねぇ。
こっちは知らねぇ『女』と思ってくそ恥ずかしい事を本人に言っちまったんだ。

じゃぶじゃぶと飛沫を立て、その白い肌から原色を洗い落す。
落ちた原色がどろどろになった顔を腕のバンダナを解き、拭き取る。
乱暴に鷲掴んでいた後頭部よりずれた鬘を?ぎ取ると、模造じゃない黄色・・・金の髪が海の光に反射して、
きらきら眩しい。
漸く『コック』に戻った。
色々問い質したい事はあったが、久し振りに・・・それも傷ひとつ負っていそうにないサンジに安堵した。
化粧なんか施す必要のない白い頬に手を添える。

「お前は、どうなんだ?俺は・・・『仲間』か?『友達』か?」

今更もう取り繕う事はない。
気付かなかったとは言え、本人に『大切な奴だ』と告げてしまった。
他の事より何より、今はこの答えを聞く方が先だった。
サンジの頬が赤味を増す。
それだけで、答えは聞かなくても判った。

「・・・と、『特別』に・・・思ってる・・・」

恥ずかしさに俯こうとするそれを許さず、ゾロの手はそのままサンジを引き寄せ、唇を重ねた。

何処からか野太い悲鳴が聞こえたがいちいち構っていられない。

今直ぐ、目の前の男を自分のものにしたかった。
隈なく自分の匂いを染み付け、離れていても忘れられない様に互いを刻み込みたい衝動を止められない。

「悪りぃ・・・押さえが利かねぇ・・・喰わせろ」
「あ、ああ。まだ途中だったな・・・それに着替えねぇと」

唇を離しても、どこか惚けたままでいるサンジに告げると、的外れな返事を返してきた。

波打ち際に座り込んだ状態で、サンジのドレスは海水をたっぷりと吸っている。
不快感を露に、立ち上がったサンジに習いゾロも立ち上がった。
そしてサンジの手首をぎゆっと握る。

「腹も減ってるが、先にてめぇを喰う」
「へ?」

言葉の意味を図りかね、きょとんとするサンジを無視して、海岸に来た時と同じ様に、引き摺る様にサンジの手首を
掴み歩き出す。
歩き出して直ぐに、ヒュンと何かが飛んで来たのを片手で受け止める。
受け止めたそれには『LOVE LOTION』の文字。

・・・・・・どう言う島だ・・・?

と思いながらもありがたくそれを腹巻にと入れた。

「なんだ?」
「あ?問題ねぇ」

そう一言答え、すたすたとあの家を目指した。


家に入って、ドアを閉じたと同時に、サンジの体を掻き抱き、その唇を貪った。
ベットの位置を確認しながら、唇を深く重ね合わせたまま、その体をベットの上にと押し倒す。

「っ、なっ・・・く、喰うって・・・?」
「ああ。てめぇを喰わせろ」
「あ、えっ?で、でも・・・」
「善くしてやっから、てめぇは啼いてろ」

そう言って、スカートの裾を捲り上げ・・・

「・・・このカボチャは・・・てめぇの趣味か?」

スカートの下に見たのは、カボチャパンツ。

まさかブラまでしてねぇだろうなぁ・・・?

背中に腕を回し、チーっとファスナーを下ろし、肩からワンピースを摺り下げる。

どう言う嗜好で、女の成りをしているのか知らねぇが、流石にブラまでは着けていなかった。

白い平らな胸には、薄桃色の乳首がツンと尖っている。
躊躇う事もなく、それに舌を伸ばし、ぺろりと撫でた。

「てめぇも、期待してんだろう?キスだけでちっちぇ乳首、尖らせて・・・」

ぱくりとそれを唇で食む。
舌と唇でその感触を楽しみ、もう片方は指先で弄る。
きゅっきゆっと捻ると、それはますます固くなり、こりこりと旨そうに育つ。
口にと含んだそれも飴でも舐めしゃぶる様に舌で転がした。
それだけで抱き込ん体はびくびくと身震いを続け、カボチャパンツの中心が、じわりと色を濃く変え始めていた。

NEXT