愛の十字架 After2

「サンジ――…」

呆然と、呟く。
――…そこには。
片手で支えながら、紅い唇一杯にゾロのモノを頬張り。
もう片方の手を、自分の後ろへと伸ばす、サンジの姿――…

「っ、く！」

あまりの視覚効果と凄まじい快感に、一気に持って行かれそうになる。
必死で息をついて快感を逃がし、白い肩に手を掛け、やんわりとサンジの上半身を起こしながら、ゾロが息も
絶え絶えに言葉を絞り出す。

「ソレ…、オレ、が…」
「…ん？」
「テメエを、解すのは…、オレが…やろうと」
「ええ？」

ゾロのモノを頬張ったせいで、紅い唇を艶めかしく濡らして。
なのに、尚綺麗に微笑んで、サンジが小首を傾げる。

「だって…。限界だろ…？テメエ」
「でも、してェ」
「…やり方、わかんのか？」
「やったことはねェ、でも」
「――…」
「オレが、してェ」
「――…わかったよ」

サンジがゆっくりとゾロの胸を押し、一緒に躰を横たえる。
そのまま傍らに寝そべってゾロの右手を取ると、そっと後ろへと導いて、はにかむように微笑む。

「さすがに、ちょっと…――恥ずかしいな…？」

ぐあっ！！と熱が上がる。
ただでさえ限界に近い先端から、想いが溢れ出す。

「サンジ…――！」
「あ、そう…そうだ、ゆ…っ、くり…」
「こうか…？痛くねェか…？」
「ああ、大丈夫…、っく、焦んな…そう、うまいぜ…」

呑み込まれた中指を締め付けてくる熱さとキツさに、ゾロの躰中に、ぶわっと汗が浮く。
ゆっくりと内を掻き混ぜてやると、ビクビク、と白い爪先が震えて、温かな肉襞がゾロの指に絡みつく。

「…サンジ…」
「――…ん…？」
「もう一本。指、増やしても…いいか…？」
「あァ、来い…ゆっくり、な…」

慎重に中指に添わせるように、そっと人差し指を突き挿れる。
ぐぷ、と沈めた指は思いのほか呆気なく呑み込まれていき、そのあまりのいやらしさに、ぐらりと目眩がする。

「ふっ…、ん」
「辛ェか…？」
「…いや。ゆっくり、動かしてみ…？ゆっくり、な…」

ぐ、と力を込め、くっ、と小さく指を曲げる。
ビク、と反応する躰を抱き締め、微かに震える唇にくちづけて、もう少し、深く。

「ッ、ん！！」
「――…ココ、か…？」
「あ、あッ、あァ！ゾロッ！」

くり、と指先に感じた箇所を弄ると、白くしなやかな躰が面白いように跳ねる。
明らかに今までと反応の違う場所を探り当て、ゾロの全身が興奮で粟立つ。

「サンジ…、サンジ」
「ん、ああ、ァ、や」
「すげェ…可愛い、サンジ」
「や、や、ゾロ、駄目」
「…なんで？すげェ、気持ち…良さそ、なのに」
「あ、もソコ、イッちまう、から…ッ」
「え？」
「イッちまうから…――、ゾロ…ッ」

快感の涙に潤んだ蒼い瞳が、ゾロの顔をしっかりと見つめる。

「も…テメ、の…早く…ッ」
「――…ッ」
「も…――来い…―ッ！！」
「――…サンジ…ッ！！」

ギチギチに育った砲身の切っ先を、ぐっとその場所へと押し付ける。
しかし、指のように簡単には挿入りそうにもなくて、瞬間躊躇ったゾロの腰に、サンジのしなやかな両足が絡まって。

「ッ！？サンジ！？」
「遠慮…すんなッ！思い切り来い！！」
「ッ、けどッ」
「アホか！あのなゾロ、言っとくけどな…！！」

燃え上がるような、蒼い瞳。
ゾロの腰を引き寄せるように、絡められた足に強く力が籠もる。

「欲しいのはな！テメエだけじゃ、ねェんだよ…――ッ！！」

汗ばんだ顔に浮かんだ、勝ち気な笑み。
ああ、そうだ。
こういう、男だからだ。
どうしても諦められず、どうしても欲しくて、長い長い間、必死に追い続けてきたのは…――！！

「――…ッ！！」
「ぅ、ア！！あ！！」

ズッと突き挿れ、奥まで押し込む。
キツくて、狭くて、熱くて。
一瞬で何もかも、持って行かれそうな凄まじさ。

「すげ…。全部、挿入、った…――」

繋がった部分をマジマジと見つめながら、呆然と呟くゾロに。
サンジの頬が一瞬で紅く染まり、回された足がゾロの背中をガシッと蹴り付ける。

「い、痛！なんだッ」
「なんだじゃねェ！どうしてそう恥ずかしいんだ、テメエってヤツぁ！！」
「仕方ねェだろ！嬉しいんだよ！！」

思わず、叫んで。
ますます真っ赤になって言葉を失ったサンジと同じくらい、ゾロも真っ赤になる。

「――…嬉しいんだよ。サンジ…」

深く、深く。
繋がったまま、唇を重ねる。
首に絡められていく白い腕が、堪らなく嬉しい。
ゆっくりと腰を動かし始めると、サンジの唇から、キスの合間に甘い吐息が零れ出す。

「ふ…ぅ、…ん、…あ…ッ」
「サンジ…」
「あ…、…あ」
「…なぁ、気持ち…イイか…？」
「ァ…、イイぜ…？テメ、の…すげェ、イイ…」
「…ッ！そんなツラ、ヤバすぎだろ…ッ！？」

思わず深く突き挿れると、甘い声を上げながら、サンジの背中がしなやかに反り返る。
ずっと、ずっと、好きだった。
見上げるばかりだった男を、自分が今――…こんなにも深く、犯しているなんて。

「ァ…あ、ゾロ、もっと…動け…ッ」
「…、ッ」
「もっと、ゾロ…！もっと…！」
「…ああ！」
「もっと、くれよ…！欲しいんだッ、テメエが…――！！」
「サンジ…――！！」

サンジの言葉に一気に煽られ、細い腰を両手で鷲掴み、夢中でガツガツと腰を振る。
金色の髪を散らし、白い顎を仰け反らせ、喉を剥き出しにして喘ぎながら快感に震えるサンジの姿態は、
もうどうにかなりそうなほどに綺麗で、淫靡で、妖艶で。

「サンジ…――サンジ！！」
「あァ、ゾロッ！すげェ！すげェ、イイ…ッ！！」
「あ、サンジ、も…オレッ」
「…イケよゾロッ…！」
「う、ァ、……ッ」
「くれよ…ッ！奥に――…ゾロ、オレの…一番奥に……ッ！！」
「ッ、く！……ッあ！！」
「――…ッ！！あ！！」
「サンジ…ィ…ッ」
「ああ…ァ、熱…ッ」

熱い飛沫を最奥に浴びせられ、ググッと奥までねじ込まれて。
サンジもゾロがイく瞬間の脈動に煽られ、絶頂へと上り詰めてゆく。

ごぷごぷっ、と。
自分が吐き出した大量の白濁が、サンジのソコから溢れ出す様が、あまりにもエロくて。
抜く間もなく、サンジの中でムクムクと堅さを取り戻したゾロのモノに、サンジの唇から甘やかな悲鳴が上がる。

「ぅあ、テメ…！何でまたそんな、デッカく…！！」
「ココ…だったよな？」
「ッ、あ！？や、ゾ」
「…安心しろ。すぐにテメエも、イカしてやっから…！」
「あ、ァ、ソコは…ソコ、駄目、あ！！あァ！！」

さっき、指で探り当てた場所。
堅い砲身でグリグリと擦ってやると、サンジの躰が、可哀想なくらい跳ねて。

「や、や、あァ！！あ、ゾロ、ゾロ…――ゾロ…ッ！！」
「クソ…――！！すげェ可愛い…ッ！！」

10歳も年上の『おじさん』が、こんなにも可愛くていいのか。
そんなん、許されるのか。
自分に思う様に揺さぶられ、まるで蕩けるような表情をして。
快感に喘ぐこの男を、自分が本当に、手に入れただなんて…――！！

「サンジ、愛してる」
「ゾロ……ッ」
「愛してる…、サンジ、ずっとテメエと一緒に…――！！」
「ゾロ、ゾロ……あ、ああァ！」

ビク、と大きくサンジの躰が跳ねる。
キュウゥッと熱く締め付けられて、もう一度ゾロの砲身が弾けた瞬間。

「あ、あああゾロ、ゾロ…――ッ！！」
「――…ッ！！」
「あ、あ…、あ、ん…ッ、ん…ッァ」

絶頂の快感に、ビクビクと震えるしなやかな躰。
温かな粘液は、サンジ自身の頬にまで飛び散って、それがまた
どうにもイヤラシくて。
半開きの紅い唇からはとろりと唾液が零れ、薄く開いた蒼い瞳は絶頂に虚ろに泳いで、汗に濡れた金色の髪は、
束になって白い頬に張り付いて――…

「――…サイコーだ、サンジ…すげェ、すげェ…好きだ…！！」

激しすぎる快感の名残で、まだ思うように体も動かせない様子のサンジが、ゆっくりと蒼い瞳をゾロへと向ける。

「――…ゾ、ロ…」
「サンジ――…すげェ、良かった」

ちゅ、と紅い唇にキスを落とすと。
ふわり、と。
サンジが例えようもないくらい、――…綺麗に微笑んで。

「―――…当然だ、ばか」

ニヤリと浮かんだ、強気な笑み。
ゾロの下半身が、ずくんと脈打つ。

「――…サンジ、もう１回！」
「は！？テメ、２回イッただろ！？」
「また欲しくなった。こっち向け」
「テメ、この…――ッん、…ふ、ぁ」

イッたばかりの濡れたモノを弄られて、サンジの声が甘く蕩ける。

「…ッ、狡ィ、ぞテメ…」
「足りねェよ、もっと…――いくらだって、欲しい」
「…がっつく、なよ…ッ…別に今日、で、終わりじゃ…ねェだろ！？この先、だって…」
「知らねェよ、先のことなんざ」

快感に震える紅い唇に小さくくちづけて、ゾロがサンジの耳元で囁く。

「今、欲しいんだ。先のことなんざ知らねェ」
「ゾロ…――」
「サンジ、なぁ。いいだろ？」
「――…ッあ」
「なぁ。…おにいちゃん…？」
「――…この野郎…ッ！確信犯だろ、テメエッ」

クスクスと笑いながら、サンジが、ちゅ、とゾロの唇にキスを落とす。

「――…喰い過ぎて、飽きるなよ…？」
「飽きねェよ…！！」

飽きるなら、とっくのとうに飽きている。
とっくの昔に…――諦めている。
そうじゃなかったから――…、
こんなにも、どうしようもないほど欲しいのに。

「サンジ…、愛してる」

もう、何度目かすらわからない言葉。
ずっとずっと、傍にいて。
ずっとずっと、伝えていきたい。

「オレに、堕とされちまったこと――…テメエに、絶対、後悔させたりしねェから」

そっと、抱き寄せて囁くと。

「――…期待してるぜ？」

鮮やかな、笑みの後。
10年越しの想い人が、柔らかに微笑んだ。

end

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