モロです、背後注意



















もう少し



















撮影会




以下、SSがオマケでついてます。














視姦






「海賊って圧倒的に男が多いじゃない?
 どうやら男同士でいい仲になっちゃう連中って結構多いらしいのよ。
 ゲイビデオもかなり需要があるんだって!
 アンタたちモデルに撮らせてくれない?」

そういう関係にあるらしい二人に、あたしはそう言って切り出した。
二人ともビジュアルはまあまあでしょ?
ましてゾロは名の売れた賞金首、密かなファンも居るらしい。
絡みのビデオでも売り出せば、結構な収入になると思うのよね。

「今現金があまりないのよ。
 そうさせて貰えると有り難いんだけどな。」

「え、何で俺ら?」
サンジ君はとぼけているけど、完全に目が泳いでる。
真っ向から否定しないあたり、やっぱり関係を認めているようなものだわ。
ハナからわれ関せずのゾロは仕方ないとして、うまく取り入るべきはサンジ君よね。

本当に困ったような表情で上目遣いに顔を覗き込む。
もちろん少し涙を浮かべてね。

案の定サンジ君は、そんなにピンチなの?って聞いてきた。
あたしは出来るだけ深刻そうに頷いて、お願い、と頼み込んだ。

サンジ君はしばらく考え込んだ後で、意を決したように言った。

「分かったよ、一肌脱ぐよ。
 セックスの演技くらいどうってこと無いよ。」

そういうサンジ君にゾロが咎めるように口を挟む。

「おい、どういうことだか分かってんのか、」
「あ?わかってンよ。ヤってるフリすりゃいいんだろ」

「バカか、お前。ああいうのはヤってるフリじゃすまねぇよ。
 チンコ突っ込んで、イクとこまで撮影するんだ」

ゾロは凄く嫌そうだ。
まぁ、自分がセックスしている姿を公開するのは、普通なら気持ちのいいものではないわよね。

でもイーストブルーの魔獣って呼ばれてるくらい豪胆なゾロなら、
見たけりゃ見ろ!くらいのスタンスかと思ってたので、ちょっと意外だわ。

そう思っていたら、サンジ君が不思議そうな顔をしてゾロに訊ねた。

「お前、やけに詳しいじゃん?見たことあンの?」

・・・そう言えばそうね。見たことがあるかのような口ぶり・・・。
ゲッ!マジで!?凄いもの見ちゃった!

ゾロは真っ赤になって!ぷぅ、と膨れて!こう言ったのだ!
「・・・うるせぇ!一度だけだ!勉強のために・・・」

うわぁ、ゾロ、サンジ君とするために勉強しちゃったのね〜。
それを聞いたサンジ君もちょっぴり耳を赤くして、
何のお勉強だよ、阿呆ゥ!などと言っている。

「お前、お世話になったことがあるんならさぁ、
 ご恩返しも必要じゃねぇの?」

「何だ、そりゃ!冗談じゃねぇ!
 俺はお前の─────」

「俺の、何だ?」

「・・・・・うるせぇ!」

そのまま喧嘩を始める二人。
魔獣のくせに恥ずかしいのか、ばーか、ばーか、とか
怖ろしく単純なサンジ君のアオリ文句に、
そんなことは無ぇ!と張り合って引っ込みがつかなくなり始めるゾロ。

こうなってしまうと後は簡単。
あたしはとうとう二人から、撮影許可を取り付けた。









ウソップとフランキーがどこからか撮影機材一式を調達してきて、
船内で撮影会が行われることになった。

集音マイクにレフ板、ご丁寧にカチンコまである。
おかしなイベントに一同興味深々。


衣服を取り払った二人の姿を見て、その裸体の美しさにあたしは息を呑んだ。

毎日鍛錬で鍛えているゾロの体は、とてもキレイに筋肉がついていて、
均整が取れていてそれだけで芸術品みたいだ。

サンジ君は鍛えているわけでは無さそうだけれど、着やせする性質らしく、
思ったよりガッシリとしている。

日頃調理器具を振り回している腕、強烈な蹴りを放つ脚も、
しなやかそうな筋肉が適度についていて、ゾロとは別の美しさだ。


総監督のチョッパーが二人に大まかな流れを指示する。
お願いします、という感じで二人は向かい合うと、
そのままゾロがサンジ君を押し倒す形で横になり、撮影が開始された。





サンジ君の後ろを探るゾロはとても手馴れていて、
意外にもその動きは慎重で丁寧だ。

指がもぐりこんだ瞬間こそ、サンジ君は苦しげな声を上げたけれど、
ゾロの手の動きに次第に甘い声を漏らし始める。

ソッチの人は後ろでも気持ちよくなれるって本当だったのね。

ゾロは執拗なほど丁寧に後ろだけを刺激している。
他の性感帯には全く触れていないのに、
サンジ君の性器はゆるゆると立ち上がり、先端から涙を滲ませ始めた。

眼前で揺れるソレを、ゾロは躊躇無く口に含んだ。
サンジ君が大きくカラダを反らせる。

「・・・ちょ、俺は、いいからッ、」
「何が、」

「俺は、ヨくしなくて、いい、からッ」
「よくねぇよ!」

断言するゾロ。
サンジ君が大きく目を見開いた。

「だから言ったろ、」

「ヤッてるフリじゃ、すまねぇって」

「お前、自分の身体を甘く見すぎだ」

そのままサンジ君には有無を言わさず、ゾロは行為を続行する。
抑えきれずに漏れる喘ぎ声を抑えようと、サンジ君は自分の口を片方の手で塞いでいる。
もう一方の手はシーツをきつく握り締めて、必死に快感に耐えている。

ゾロがしていることは、自分がサンジ君の中に入るための準備ではない。
明らかに愛撫だ。
パートナーを気持ちよくさせようと、一緒に気持ちよくなろうとしているのだ。

こんなに愛情溢れた愛撫は今までお目にかかったことがない。
こんなにもゾロに愛されているんだ。
そう思ったら、サンジ君がちょっと妬ましくさえ思えた。




ゾロを受け入れた瞬間のサンジ君の表情は、ちょっとキた。

男性経験のある女の子ならわかると思う。
受け入れる瞬間の、あるべき場所に欲しいものを与えられたような充足感。

サンジ君は、まさに、そんな表情を見せたのだ。

奥までゆっくりと侵入し、ゾロはサンジ君の表情を覗き込んだ。
苦々しげに顔を歪め、なかなか動こうとしない。

サンジ君がモノ言いたげにゾロを見つめる。
もう周りに居る私たちなんて視野に入っていない。

開発されまくっちゃってるんだろうなぁ。
何も言わなくても、ねだっている気配が伝わってくる。

「早く、イけ、よ」
くるくるの眉を歪めて、悪態をつく。
早く掻きまわして欲しい、強く突いて欲しいって言ってるようにしか聞こえない。

低く唸って、ゾロがゆっくりと腰を動かし始めた。
サンジ君が揺さぶられて、甘い声を上げる。
でも、反応が激しくなると、ゾロは動きを止めてしまった。

「や、あ・・・そんな、何で、」

生殺し状態のサンジ君が、眼を潤ませてゾロを睨む。

「早く、イけ、ッて、」

その表情があまりに辛そうなので、あたしはゾロに文句を言った。
「ちょっと!真面目にやんなさいよ!」

「・・・うるせぇ!わかってるよ!」

ゾロも辛そうな顔をしている。
サンジ君の顔を睨んで、ちょっと悔しそうに。

「クソッ、バカが!だから言ったろうが!」


ああ、そうか。
ようやくわかったわ。

ゾロは自分の姿を見せるのはどうでもいいんだ。
ただ、どうしてもイヤなんだ。

サンジ君の、この無防備で、とてつもなく淫蕩な表情を、
自分以外の人間に見せたくないだけなんだ。





自分が達しないと終わらない。
ゾロはようやく腹を据えたのか、再び動き始めた。
あまり長引かせないつもりらしい。

焦らすようなことはせず、サンジ君の前も刺激しながら抽送を繰り返す。

「・・・ぞ、ろ」

サンジ君が手を伸ばしてゾロの頬を捉え、自分の方へ引き寄せる。
自らも少し頭を上げるようにして、深く、深く唇を重ねた。










結局のところ、カメラを回していたロビンが、
「ごめんなさいね、フィルムを入れるの忘れていたわ」
と言い出し、皆なんとなくホッとした。

しっかり者のロビンがそんなミスをするはずがない。
皆、皆わかってる。

その後のサンジ君とゾロはというと、あまり変わらない。
表向きは撮影のときにノリで初めて繋がっちゃいました、ってことになっている。

相変わらず喧嘩ばかりだし、甘い雰囲気があるわけじゃないけれど。
ただ、暗黙の了解というか、もうバレちゃってんだよね、という表情をたまに見せる。

なんだかね、ホモカップルのカミングアウトを手伝ってしまっただけ、
という不思議な撮影会になっちゃったわ。

でもとても羨ましかった。
あたしもいつか、あんなふうに誰かに大事にされるようになりたいな。

甲板で寝こけているゾロと、蹴り起こそうと近づくサンジ君。
それを見ながら、そんな風に思う、夏島気候の昼下がり。



END



2008.7.5

ちびっ太様宅の絵茶で、苺くっきー様とコラボ
苺ちゃんの可愛い受サンジの表情に釣られて、萌え出たSS

変態チックに仕上がったと自負しております(アホ)

苺ちゃん、お相手してくれてありがとー!!
そしてちび姉さま、可愛らしいギャラリーを
フルメンバーで描いてくれてありがとー!!