惚れてしまえば・・・

  

キュアコスゾロサンイラスト


慣れ・・・と言うのは恐ろしい。

奇天烈な格好も、何時の頃から見慣れて、馴染んでしまう。

一週間のヒーローショーのバイトも、今日で終わった。
そして、控え室には俺とコックのふたりだけだった。

「この衣装とももうお別れかと思うと、名残惜しいなぁ」

ゲラゲラと笑いながら冗談めかし、くるんとターンすれば、スカートの裾が、
ひらひらと蝶の様に揺れる。

俺は、後ろ手に、控え室の内鍵を掛けた。

「ん?がちゃ?・・・お前、鍵掛けた?」

俺の行動に不信感を覚えたのか、コックが聞いた。

「ああ。掛けたな」
「なんで?」
「犯るから」
「は?何言ってんだよ?んなの、ここでヤらねぇでも、宿戻ってヤればイイだろう?」

この一週間、同じ宿の同じ部屋に泊まり、邪魔する者がいないのを良い事に、盛っていた。

「その姿のお前とヤれるのは、今だけだろう?」
「はぁ?何、マニアックな事言ってんだよ?」

コックが呆れるのも判るが、理性より本能だった。
その奇天烈な格好のコックに、欲情をしたのだから仕方ない。

「おら、後ろ向け・・・流石にその服、汚すワケにはいかねぇからな」
「いや、だからこの格好でヤる事ねぇだろう?」
「だから、その格好のお前とヤりてぇんだろうが?!」
「・・・・・・お前も、その格好わかってんのか?」
「・・・・・・・・・・・・」

確かに。自分の格好も、コックのそれと同じだが、着替える間が惜しい。

「お互いにこれじゃあ、変態過ぎるだろう?」
「男同士でヤっている時点で、傍から見たら『変態』だろうが?」
「なに、身も蓋もない事言ってんだよ!!」
「いいから早くケツだせ!!」
「てめぇ、もう少し言い様はねぇのかよ?!たいだい、こんな女の子の格好の俺をヤりてぇって
疑似体験したいって事なんじゃねぇのかよ?」
「はぁ〜?お前、本当に馬鹿か?惚れた相手がそんな格好しているから、ヤりてぇんだろうが?!」
「・・・ほ、惚れてるって・・・なんだよ」

俺の言葉に頬を赤らめ、背中を向け、腰を突き出した。

「ヤるなら早くしろ!!誰が来るかわかんねぇんだ」

長いウィッグからちらりと見える耳が真っ赤だ。

「煽り過ぎだ!!アホ」

スカートの裾を捲り上げ、スパッツごと下着を摺り下ろすと、白い尻が露わになる。
見慣れている筈のそれなのに、その衣装の所為か、やたらと淫猥に見え、喉が鳴った。
自分のスパッツの中もひどく窮屈になり、痛い。
それでも、形好い双丘の間に指を潜らせると、昨夜の名残から、まだ柔らかい。

「わりぃ」

一言言って、既に臨戦態勢のそれを押し付け、腰を入れる。

「くぅ・・・」

コックの口から苦痛を滲ませた声が漏れる。
柔らかいと言っても、解してもいないのだから負担は掛るだろう。

「すぐヨクしてやる。声、出すなよ」

熟知した箇所を探る様に、腰を動かすと、コックの息が甘くなる。
その声、息すら誰にも聞かせたくないと言う思いのまま、
片手で、コックの口を塞ぐ。
互いにイくまで、その手を預けたロッカーが、カダカダと鳴り続けた。


「んー大丈夫だよな?」

何時ものスタイルに戻ったコックは、先程まで着ていた衣装のチエックに余念がない。
何度も何度もチエックして、漸く納得すると、何処か名残惜しげに、それをハンガーに掛けた。

「それ、買い取るか?」
「は?アホか?こんなもん買い取ってどうすんだ?大体、金もねぇし・・・」

そう、ここでのバイト代は前金として、既にナミの懐に暖められている。

「これ」

俺は懐から、『大入り』と書かれている封筒を取り出した。

「あ」

コックも思い至ったらしい。

ヒーローショーは、何時になく盛況だったらしく、主催者よりショーが終わった時に、
にこにこ顔で貰った物だ。
俺たちは顔を見合わせた。


その後、メリーの男部屋の何処かに、その衣装があるかないかは、誰も知らない。




おしまい


2013.10.16 UP


擬似恋愛の翼嶺さまよりいただきましたvv

ツイッタ上で、駅弁の日というので盛り上がっていた際に、
フォロワさんから何故かプリキュアコスのゾロとサンジのリクをいただきまして
(ホントにねー。イロモノのリクは沢山貰うよありがたいことに・・・。)

出来上がったのがこのイロモノイラストなんですが、
翼さんが気に入ってくださって、イメージSS頂いてしまいましたwww

こ、こんなイロモノSSをwwwww

翼さん、ありがとーvv愛してるぅ!