The Long Absence

  


ゾロが変わった・・・。

イヤ、その纏った気からより以上強くなったのは判るが、そうじゃなくて、
以前よりふたつ歳を取った筈なのに、ガキ臭いと言うか・・・。

一番乗りがそんなに嬉しいのか、やたらと順番に拘るし、ルフィやウソップ、
チョツパーが船縁で、釣り糸垂らしている姿は見ていたが、こいつが釣りする姿は
見た事ねぇのに、今になってやたらと釣りをしたがる。

・・・今のゾロ相手なら、イケんじゃねぇか?

サンジは密かに不穏な事を思い描いていた。

ゾロを犯る!!

2年前、サンジはゾロにと抱かれていた。

ゾロの性器で尻の中を抉られる様に擦られたり、奥に、熱い精液を注がれるのも、
決してイヤじゃない。

寧ろ好きだ。

もちろんそれはゾロ限定なワケだが・・・それでも、サンジも男だ。
突っ込まれてイくだけじゃなく、突っ込んでイきたいと思う。
それが元来の男の性だ。

だからと言って、その相手が誰でもイイ訳じゃない。
要するに、恥ずかしながらも『好き合っている』が前提でなければ勃つものも
勃たない。
だからこそ、サンジは一度、ゾロに突っ込んでイってみたいと思っていた。

今の、妙にガキ臭くなったゾロ相手ならイケんじゃないかと、サンジは本気で
考えていた。
とは言え、ガタイの差は、2年経った今でも変わらない。
無理に押し倒して、返り討ちにあって何時もの流れになるのは悔しいが、目に
見える。
クスリでも盛るか?と一瞬過ったが、それは料理人としての自尊心が許さない。

サンジは伸びた顎鬚を指の先で弄りながら考える。
そして・・・・・・。


「犯らせろ!!」

皆が寝静まった頃、サンジは展望室へ向かい、そこにいるゾロへとそれは男らしく、
ストレートに告げた。

「は?眉の向きも変わって、おつむの方もとうとうイカレたか?」

2年ぶりに会った、罷り成りにも『惚れてる』相手に言う言葉かと、怒りが沸き起こった
が、サンジは寸前の所で耐えた。

「俺はなぁ、この2年、男としての尊厳が崩壊しそうな地獄を味わって生き抜いて
きたんだ!!」
「・・・どんな所にいたんだ?」

尋常でない力説ぷりに思わず問いかけたゾロを一瞥する。

「語って思い出したくねぇ」

その様子に、ゾロは深慮深く考える。

「5分」
「あ?」
「5分で俺をイかせる事出来たら、掘らせてやる」

にっと凶悪な笑みを浮かべる。

ゾロが遅漏なのは、身を以て知っている。
勝敗が判っている勝負に乗っかるほど、自分は愚かではない。

「・・・ま、できねぇなら無理にとは言わねぇがな」

続いた言葉にカチンと来るのは、お約束か・・・。

「だーれができねぇって?どうせ2年間、右手に世話になってたんだろうが?
その武骨な手とコックの繊細な舌を一緒にするんじゃねぇぞつっ!!」

勝った!と胸中でガッツポーズを取る、ゾロに気付く事なく、サンジは
その足元にと跪いた。



「・・・・・・・」

久し振りに目の当たりにしたゾロの性器に、サンジの下肢がずくりと疼く。
サンジの2年間は、自慰すらする余裕がなかった。
一瞬の油断で、あの悍ましいスィーツドレスが迫ってくるのだ。

ゾロが2年間、どんな生活を送っていたかは知らない。
例えゾロの傍らにレディがいたとしても、『浮気』していないと信じている。

自分がゾロにぞっこんな様に、ゾロも自分にぞっこんだと信じていたい。

目の前にゾロの性器を見ただけで、コレより与えられる悦楽を思い出し、
下肢の疼きが止まらない。

『ク、ソっ・・・さっさとイかせて掘りまくってやる!!』

決意も新たに、サンジはぱくりとゾロの性器を口にと含み、舐め回し始めた。

ぬるりと生温かな感触が性器を包む。
その懐かしい感覚に、ゾロはちいさく呻くと、僅かに腰を引いた。
イかせる事に夢中になっているサンジは、その一瞬に気付く事なく、瞼を閉じ、
頬を窄ませながら、硬い性器を愛撫し続ける。

『やべぇな・・・』

翼嶺様SSイメージイラスト


気持ち好過ぎる。

久し振り過ぎる刺激。
後頭部を引き寄せ、咽喉奥にまで腰を振り立てたい衝動をぐっと耐える。
それをすれば、5分と持たないのが自分でも判るほど、サンジの舌の快感に身体が
昂ぶる。
なんと言っても2年ぶりだ。

その2年。
サンジの言う、右手に世話にはなっていない。

ミホークの修行は容赦なく、1日終わる頃には精根尽き果て、指1本動かせないまま
泥の様に眠る。そんな毎日だった。
サンジが2年間どんな日々を送っていたかは知らないが、自分を犯りたいと思うくらい
だから、サンジもまた性的欲求を満たす余裕はなかったのだろうと察する。

同じ男だ。
突っ込んでイきたいサンジの気持ちが判らないワケでもないが、どうも自分が抱かれる
と言う図式が想像出来ない。

ゾロは眉間に深く皺を刻む。

サンジを女扱いした覚えはないと言うより、そもそも女と思うのも無理がある。

ただ、何時からかこの男を渇望したのだ。
欲しくて欲しくて・・・野望以外の強い欲望が自分の中に、同性相手に芽吹くとは思いも
しなかったが、その欲望は抑え込む事ができず、抱いた。

女の様な柔らかな乳房もない。
生殖の為に、男を迎え挿れられる場所もないその身体を、その心ごと愛しいと思った。
改めて言葉にこそしないが、その感情は会えなかった2年間の間も変わる事なかった。

ゾロは手を伸ばすとその金糸をそっと、指で梳いた。

懐かしく馴染んだ感触が指から、心の何処か大事な場所にと伝わる。

「・・・おい」

頭上から聞こえる声に、サンジは視線だけをそちらに向ける。
開いた赤い唇で性器への奉仕を続けたまま、上目使いで見る顔は、正直クる。
それはダイレトに性器に伝わり、サンジの口腔でひとまわり大きくなった。
その変化に、サンジの潤んだ碧い瞳が睨み付けてくる。
その表情だけでも十分煽られ、ゾロはさり気なく視線を逸らす。

「なんでそんなに俺に挿れてぇんだ?」
「・・・もぶはむはうあう・・・」
「イヤ。話す間はカウントしねぇから・・・口離して言え」

じゅぶりと濡れた音と共に、サンジの唇から弾力をもった性器が、弾ける様に離れた。

「そりゃあ、俺だって男だからな」
「俺が欲しいのか?」

逸らした視線を真っ直ぐにしてゾロが聞く。

「・・・欲しい・・・てめぇの全部を知りたい」

ゾロの中がどんな風に自分を迎え挿れてくれるのか、どんな風にその身を預けてくれる
のか、許してくれるのか知りたい。

「・・・判った。いいぜ・・・」

返事をすると、潔くゾロは衣服を脱ぎ捨て、全裸になった。

「い、って・・・?」
「抱きてぇんだろう?」

鍛え抜かれていた肉体は、2年の間またさらに逞しく、その肉体に綺麗な筋肉を刻んでいる。
サンジの唾液によって濡れ光る性器は腹にと着きそうなほど、反り返っていて、自然
サンジの視線はそこに注がれ、無意識に喉が鳴った。

渇望する様に身体が疼く。

それを拭い去る様にサンジも衣服を脱ぎ捨て、全裸となる。

「どうする?いきなり挿れるか?取りあえず、突っ込まれるのは初めてなんだが・・・」
「ばっ!誰がてめぇじゃあるまいしつっ!!いきなり挿れるかよつっ!!」

怒鳴り付けるも、サンジは何故か行動できない。


左目に深い傷を刻んでいても、五体満足なその身体を目の当りにしたら、
抱くとか、抱かれるとか・・・もうどうでも良い様な気がした。

生きて会えた。

それだけだ。

サンジはほっと溜息を漏らすと、ゾロへと向かい、両手を伸ばし、首にと絡め、引き
寄せた。

「今日はもう良い。俺でてめぇを感じさせろ」
「あ?・・・今が俺を抱く最期のチャンスかも知れねぇぞ?」
「かもな・・・でも・・・今は、てめぇを身体で感じてぇ」

にっと挑発する様な笑みを浮かべたサンジの身体を、ゾロは引き寄せぎゆっと抱き締めた。

「2年分だ。容赦しねぇぞ」
「望む所だ」

口元にと笑みを浮かべあい、戯れながら、啄む様なくちづけを重ねる。
やがてそれが深いくちづけに変わる頃、ふたりの身体は静かに床の上へと沈んでいった・・・。



End

2010'10.28


擬似恋愛の翼嶺さまよりいただきましたvv

離れて過ごした2年の月日、再会したらもうヤルことは一つですよねvv
年齢を重ねて、なぜか可愛らしくなってしまったゾロちんに
つい、啼かせてみたい、という衝動を覚えるサンちゃん♪

結局ゾロにしてやられちゃった感じですが、
ホント生きて再会出来たというだけで、
海賊である彼らにとっては僥倖なんだと思います。


素敵なこのSSの中で、管理人がここが描きたい!と思ったのは
サンジの舌にすぐにでも持ってイカされそうなゾロ、でしたww

タイトルは、「お好きなようにつけていいですよv」と言ってくださったので、
管理人が無い知恵絞ってつけました。


翼さん、素敵な投稿作品をありがとうございました!!

2010.11.24 拙絵完成

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